定年女子の日々・是好日

「定年」にはなりましたが、非常勤で働く「日」「日」です。

「光る君へ」香炉峰の雪



『枕草子』は「徹頭徹尾定子賛美と自分の自慢話」
(「眠れないほどおもしろい紫式部日記」板野博行p116)


「香炉峰の雪いかならむ」という中宮定子の問に
私は「白氏文集」の漢詩を知っていたからだまって簾をあげました
という、自慢話なのだが、
これを書いたころ、すでに中関白家は没落しており、
この場面は、中関白家が一番盛り上がっていた頃の思い出。


中関白家の栄華とともに
関白道隆の専横
怒る、道長
憤る、詮子
とまどう一条天皇
調子に乗る隆家(竜星涼君登場)


すでに、大どんでん返し、内覧の宣旨への伏線は充分。
道隆がお酒ばっかり飲んでいるところも。 
この方、お酒の飲みすぎで、もうすぐ病死。
糖尿病だったとの説も・・・


と、すると
道隆=井浦新氏は、ちょっとスリムすぎかも。
自分の場面は取り終わったからか、4月からすでに他局に出演中。
  
    ARATAの頃から、注目している俳優さんだが、
    「実録・連合赤軍あさま山荘への道程」で
     ライフル片手に立てこもっていた姿や
     先の大河ドラマ「平清盛」で生霊となって都を呪った崇徳院
     自決する・三島由紀夫「11・25自決の日三島由紀夫と若者たち」
     など、おどろおどろしい役が印象的だった。
    
    もの静かだが、とってもいい人役では
    「ワンダフルライフ」の旅立ちのお手伝いをしながら
     自分も旅立ってゆく望月役
    「朝が来る」での特別養子縁組をした父親役が好きだった。
    
どちらもできる、実力派。
道隆役は今のところ、どっちつかずで、
ちょっと物足りない、気がする。

なにげに、大原

大原のリハビリ専門の病院へお見舞いに行く

大原の里
緑、深々と。

水の流れも清々しい。


大原は学生の時に一度。
30年以上前、まだ二人暮らしだったころ
冬、大原の民宿に泊まって炬燵にあたって、鍋食べた。


それ以来、三十数年ぶり。


せっかく、来たので
バス停4つほど戻って、三千院まで行ってみる。

♪京都大原三千院
恋に疲れた女が一人♪


恋に疲れてはいないが、
ちょっと、新年度の生活には疲れているかも・・・

参道から入口へ。



往生極楽院


石楠花が真盛り。


京都バスで地下鉄国際会館駅まで

比叡山が目の前。
愛宕さんのふもとに住んでいるもので、
比叡山はやたらと新鮮だった。

52ヘルツのクジラたち





映画化されると聞いたので
急いで、読んだ。
読んでから、観た。


杉咲花はすごい!
こんな役は、今の若手ではこの人しかできない。


主人公、貴瑚の揺れ動く繊細な感情
怒り、憎しみ、悲しみ、愛、を見事に表現している。


最大のキーマン杏さん:志尊淳君
ネタバレになるので書かないが
「半分青い」での、青年「ぼくて」
からのイメージかと思うが、
杏さんの苦悩を繊細に演じたと思う。


その他のキャストもよい。


友だち役の小野花梨さんがいい。   
途中で挫折して最終回だけみた「グレイトギフト」犯人役とは思えない
いい人、いい味だしていた


クジラの歌声は52ヘルツ
あまりに高音だから、他のクジラたちには、この声は聞こえないんだ。


本当はたくさんの仲間がいるのに、何も届けられない。
それは、どれだけ孤独だろう。p84


あんたのことを考えて、あんたのことで怒って、
泣いて、そしたら死んだと思っていた何かが、
ゆっくりと息を吹き返してたんだ。
わたしはあんたを救おうとしてたんじゃない。
あんたと関わることで、救われてたんだp302


クジラの声が
聞こえてくるようだ。