定年女子の日々・是好日

「定年」にはなりましたが、非常勤で働く「日」「日」です。

「光る君へ」東三条殿、逝去


BS朝ドラの再放送「オードリー」のパパ役、段田さん。
4月から毎朝、お目にかかってはいるが、
アメリカ帰りの自由なパパとうって変わって
東三条殿:藤原兼家
一族に繁栄と波紋を残して、とうとう亡くなる。


「大鏡」花山天皇の出家の場面で
限りなく、黒幕として描かれている


東三条殿は、もしさることやしたまふと危ふさに
さるべくおとなしき人々・・・御送りに添へられたりけれ。
・・・寺などにては、もし、おしてひとなどやなし奉るとて、
一尺ばかりの刀どもを抜きかけてぞ守り申しける。


実動部隊:道兼に花山天皇をそそのかして、出家に導かせ
道兼が一緒に出家することがないように
裏で手をまわして自分の配下に守らせている。


道兼君、信じて頑張ったのに最後に当然のように
関白は「道隆」と切り捨てられた。
怒る、怒るのも無理はないが
兄弟競合、
次男の長男へのコンプレックスを巧みに利用して、
摂関への道をつけた冷徹な父。


ドラマで、父の最期を見届けたのは、常にマイペースの三男。
長男、病死。次男、これも疫病で病死、七日関白。
正に父の後を継ぐのはやはり道長という暗示か。


「蜻蛉日記」は、不実な夫、兼家へのグチの日記だが


嘆きつつ 一人寝る夜の あくる間は 
        いかに久しき ものとかは知る
   あなたがおいでにならないことを嘆きながら、
   一人で寝る夜があけるまでの間が
   どんなに長いものかあなたは知っているでしょうか。
                 いや、知らないでしょう。


道兼、返し
 げにやげに 冬の夜ならぬ 真木の戸も 
       遅くあくるは わびしかりけり 
    なるほど、本当に、冬の長い夜が明けるのを待つのもつらいが、
    冬の夜でもない門がなかなか開かないのは、つらいものだなあ


門を開けなかったので「町の小路の女」の所へ行ってしまった
夫に怒る女に返したなんとも鷹揚な歌。


こんなことを繰り返した後、
母は息子、道綱へと肩入れしていくのだが、
現代でもありそうな・・・


道綱君、
「日記に書いとく」藤原実資、
倫子の猫、小麻呂
と共に、癒し三人衆とか、言われていますが
夫との不仲に嘆く、母にとっての一番の癒しだったのでは。