師走の『古都』
師走になると、毎年飾っている絵葉書。
東山魁夷の「年暮る」(1968)
定年になったら、読もうと積んどいた本。
昔読んだ本を再び読み返している。
川端康成の『古都』もその一冊。
昭和の修学旅行のおきまりのパターンで京都に来て、
清水坂から見た夕暮れの京都の風景に強烈に魅かれ、
住むようになって40数年。
魅かれたベースにはこの『古都』があったことに
気が付いた。
山口百恵と三浦友和で映画化もされたが。
京都は今描いといていただかないとなくなります。
京都のあるうちに描いておいておいて下さい
「今、ふたたびの京都」平山三男編 求龍堂
川端康成が東山魁夷にすすめたという。
それに応えて描いた「京洛四季」の連作。
実物よりも美しいかもしれない。
昭和三十年代の京都の姿など、跡かたもないし、
『古都』に描かれていた言葉も失われていったのではないだろうか。
京都に来た頃、下宿のおばあちゃんが、
「おはようおかえり」
といつも、送ってくれたのを思い出す。
姿は変わっても、
静かに積もってゆく「時」
それが、古都の魅力かもしれない。
よいお年をお迎えください。
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