定年女子の日々・是好日

「定年」にはなりましたが、非常勤で働く「日」「日」です。

『小説帝銀事件』


年末にドキュメンタリードラマを見て、年明けさっそく本屋に並んでいたので
購入、読了。
大沢たかおさんが、松本清張。
気合が入っていた。
この頃、なぜか娘が「jin」にはまっていて、見ているので
さわやかで、前向きな南方先生もすばらしいが、
どす黒い戦後の闇を執拗に追い続ける清張もなかなかだった。


「帝銀事件」は横溝正史の『悪魔が来りて笛を吹く』で
「天銀堂事件」として扱われていて、こちらの方で先に知っていた。
戦後のどさくさと、斜陽家族のおどろおどろしい因縁が
フルートの音色とともに暴かれてゆく。
西田敏行の金田一耕助で映画化されたが、
鰐淵晴子の妖艶な椿子爵婦人があまりにもはまりすぎている。


横溝シリーズはむかしのおどろおどろしい表紙の文庫本で読み耽ったが
引っ越しの時BOOKOFFで処分してしまった。
新しい、活字も大きくなった文庫で読み直しているが、
今、残しておくべきだったと後悔している。


夫にはなぜ、宝塚と横溝が同居できるんだ
と揶揄されるが、
これも、押しだからしかたがない。


それでも、昨春、岡山の横溝疎開先をめぐる旅にはつきあってくれた。
(記念館の館長さんが熱く語ってくれる。)


横溝正史、松本清張は犯人や、動機がわかって、結末を知っていても
何度でも読みたくなるし、何度映画化、ドラマ化されても
見てしまう魅力がある。
現代のミステリーでは描き切れない
人間のドラマがある。


これも、一生やめられない押し活。