定年女子の日々・是好日

「定年」にはなりましたが、非常勤で働く「日」「日」です。

『かがみの孤城』

一昨年一気読みして、大好きになった本だった。
学校に行けなくなった中学生たちの
時間を越えた交流がせつなく、それでも、それぞれが現実に踏み出してゆく
姿が、凛々しい。
小5の姪っ子が四回読んだ。と言っていたので、
大したもんだ、と思いながら、世代を超えて
訴えてくる作品だと感銘した。


アニメで映画化されると聞いて、やはりアニメでないと
あの世界観は表現できない。
声も、一番のキーパーソンが宮崎あおい
狼さんが芦田愛菜
リオン君が北村匠海,
なかなか、いいぞと期待した。


お正月姪っ子を誘おうかと思ったが姪っ子は「スラムダンク」
に行くやらで、ふられてしまい、二月になってしまった。
しかし、久しぶりに劇場で泣いてしまい、
近所にいた中高生に気まずかったので、
1人で行って、正解だった。


辻村さんの『オーダーメイド殺人クラブ(集英社文庫)』
を読んだ時も同じような筆者のメッセージを感じたが
中2病と言われ、子どもの世界が煮つまって、大人の視野は、
まだ開けてこない、窒息しそうな時期。
家族の問題も集中してくる。
いらだち、不安、焦り。言語化できない感情。
「いつか、必ず、通り過ぎる」という作者のメッセージは、
それこそが煮つまった子どもたちへのなによりの勇気づけではないだろうか。


現実の世界にもどり、どこかで、関わったり、すれちがったりしている
エンドロール後の一枚が効いている。


文庫二冊を90分にまとめるので、
それぞれの子たちの事情が
浅くなるが、
筆者のメッセージは強烈につたわった。


「大丈夫。大人になって。」