定年女子の日々・是好日

「定年」にはなりましたが、非常勤で働く「日」「日」です。

PERFECT DAYS

もうすぐ、終了しそうだったので、駆け込みで観にいったが、
観に行ってよかった。
音響や映像の特殊効果があるわけではないが、
これは、劇場で集中して観るべき作品だ。


箒で道を掃く音で目覚め、
丁寧に布団をたたみ
歯磨き
自動販売機で缶コーヒーを買って
仕事へ
トイレ掃除に集中
このまま、トイレ掃除だけだ終わったらどうしよう
と思ったが
本当にトイレ掃除だけで終わった


そこが、この映画のすばらしさだと思った。


ものすごく大きな事件が起こるわけではない。
同じような淡々とした日常の繰り返し
しかし、決して同じではない、少しの変化


同じようなことの繰り返しの中で、触れてくる人があり
去る人があり
季節の変化があり


自分と人
同じようで、違う世界
その世界と世界が触れることで、日常は変化する。


同じような日常の中でも尋常ではなかったのであろう人生を髣髴とさせる
一場面、一場面。


運転手付きの自動車で姪を迎えにきた妹を抱きしめる場面


渋い男には、渋い男(は、やはり、この人でないと、の三浦友和氏)
と「影を重ねると、濃くなるか」の実験をする場面


同じような一日の始まりでも
まったく新しい一日。


これで、いい。
これが、いい!


朝日に向かう、役所さんの表情がまさに、PERFECT!