定年女子の日々・是好日

「定年」にはなりましたが、非常勤で働く「日」「日」です。

「土を喰らう12か月」

菜っ葉を刻む手
大根を洗う手
土からのいただき物を丁寧に丁寧に
調理していただく。
いのちをいただく。


何か大きな事件があるわけでなく、
12ヵ月の自然のめぐりと
自然からの恵み
淡々とした日常の中に
出会いがあり、別れがある。


都会ではもう、ほとんど、行われていないのでは・・・
自宅での、通夜、葬儀。
「通夜ぶるまいを作らねばならない」
胡麻豆腐のためにごまをする。
庭の夕顔で澄まし汁をつくる。
てきぱきと、指示されて、
「あいよ」
「あいよ」
と立ち働く、真知子・松たか子がとてもよい。


味覚で暦のふたがあく


立春 ・・穀雨・・・・・霜降


「私、結婚することにしたの」
と真知子は去っていき、
冬至


お盆の上には
大根の煮物柚子みそのせ、具なし味噌汁、
大根葉の炒め物、梅干し、ご飯
「いただきます」


ひと椀の味噌汁に生の充実幸福がある
            池波正太郎


の言葉を思い出した。