定年女子の日々・是好日

「定年」にはなりましたが、非常勤で働く「日」「日」です。

『銀河鉄道の父』



やっぱり、これは、読んでから観たい作品だと
ちまちま読んでいたが、
宝塚関係でじたばたしていたのでなかなか進まず。
やっと、読了。
本では、やはり「あめゆじゅとてちてけんじゃ」
妹としが亡くなる場面に泣いた。
「永訣の朝」は何度も授業で扱ったが
何度読んでも泣ける。


映画も午前中、一本だけ。
一つの映画館だけの上映になってしまったので、
これは、まずい。
滑り込みで観に行った。



やはり、主役は「父」。.
さすがの役所さん。
役所さんが演じると、どんな人物も間違いない。
安定の主役。
若い賢治も菅田君が頑張った。
今まで、「宮沢賢治 その愛」の三上博史、
「宮沢賢治の食卓」の鈴木亮平の賢治を見たが、
菅田君が、年齢もあってか、一番賢治に近かったように思った。


先ごろ、NHK BSプレミアムで
「業のはなびら」という宮沢賢治の特集を放送していた。
映画の公開を意識してか、父と賢治さんの関りが中心。
反発しながらも、一番の理解者は父政次郎だった。
という、線は同じ。
「どこまでも、一緒に行こう」
と『銀河鉄道の夜』で誓う、
盛岡時代に別れた友人の存在があったことを知る。  


映画で最後に銀河鉄道に乗るシーンはいらない。
と、思った。
縁側で賢治の三巻の全集を読んでいる父の背中が全てを
語っているから。


ただ一人でも自分を理解してくれる相手、
に出逢えたらその人の一生は「さいはひ」なのかもしれない。
恋人でも、
友人でも、
師弟でも。
兄妹でも。


賢治さんを懸命に理解しようとした相手、
それが、父、政次郎であったのではないだろうか。