定年女子の日々・是好日

「定年」にはなりましたが、非常勤で働く「日」「日」です。

「光る君へ」公任の宰相殿

藤原公任:町田啓太君
眉目秀麗、三舟の才(漢文・和歌・管弦)
どれも優れていると道長に評された平安の公達を好演。


この方は、「花子とアン」で
村岡英治(鈴木亮平氏)の弟役。
関東大震災で、プロポーズの直後
亡くなる、花子の妹かよ(黒木華)の想い人。
      
「定年女子」で、麻子(南かほ)の部下の好青年。


「青天を衝け」では土方歳三
「西郷どん」の小松帯刀


NHKに好かれているよなと思っていたら、この大役!


藤原公任は
「紫式部日記」に
彰子の出産の五十日の祝いに来た公任が
「このわたりに、わかむらさき(若紫)やさぶらう」
と問いかけたというエピソードがあり、
彰子の皇子誕生のころ(1008年)には
「源氏物語」は書かれていたとされる。
式部と公任が恋仲だったという説も。


「枕草子」ー如月つごもりごろにー
で、「少し春あるここちこそすれ」
という下の句を届けさせ、
清少納言は、公任の宰相殿からの文に
いいかげんな句は付けられない、と悩んだが
「ええい、ままよ」
と付けた上の句
「空寒み花にまがへて散る雪に」が評価されました。
という清少納言の自慢話に登場。


紫式部と清少納言が同時に宮中で仕えていた時期はなく、
まして両父君に付き添って漢詩の会に出たことがある、という設定は
かなり無理があると思うが
一条天皇の后同士の定子と彰子に仕えた立場。
彰子の父、道長と定子の兄伊周(三浦翔平)が
熾烈なトップ争いをしていたから
ライバル同士とされてもしかたがなかろうが。


紫式部は日記に
「清少納言こそ、したり顔にいみじうはべりける人。
        (得意顔してえらそうにしていた人です)
 さばかりさかしだち真名書き散らしてはべるほども
        (利口ぶって漢字を書き散らしております程度も) 
 よくみれば、まだいたらぬこと多かり。」と書いている。


清少納言はじめ中宮定子の作る「枕草子」的な明るいサロンの世界は
意識していたのではないだろうか。
  (紫式部は内向的で、彰子もおとなしかったらしいので)


それにしてもドラマで
公任が
「あんなでしゃばった女は好かない」
とすっぱり、切り捨てたのは小気味よかった。