定年女子の日々・是好日

「定年」にはなりましたが、非常勤で働く「日」「日」です。

見てから読んだ『一橋桐子(76)の犯罪日記』

『一橋桐子(76)の犯罪日記』原田ひ香
昨年NHKで放送された時、桐子役の松坂慶子さんがあまりにも
生き生きと魅力的だったので、年末読んでみた。


人物設定も変更があり、
久藤(岩ちゃん)がパチンコ屋ではないこと、
など個人的には不満だったが、派手な演出や立ち回りはなくても
老後に向き合わなくてはならない課題がじわっと描かれている。


血糖値があがる・・・
もういいわよ、歳だもの。

好きなもの食べて死にましょう いちご大福p75


のくだりはとても好きだ。


人間は結局収まるところに収まるのかもしれないねp334


人の死・・・特に老人の死というのは、結局、
これまでの人生の答え合わせなのかもしれないp337


胸に応えた。


ドラマの結末と違って、桐子さんは自分が築いた人間関係に
支えられて、今ある制度を使いながら、自分の居場所を見出してゆく。


最後の解説文
 絶望して刑務所に入りたいと思った桐子さんは、
血縁ではない友人たちに助けられて生きてゆきます。
老後はお金よりも人とのつながりの方が重要だ
といろんな人が指摘していますが、
まさにそうですね。


まさに、そうだ!と思い、勇気が持てた。