定年女子の日々・是好日

「定年」にはなりましたが、非常勤で働く「日」「日」です。

「鴨川ホルモー」

春に烏丸御池、新風館で、映画を観たり、
女子会したりして、
久しぶりに来てみたらすっかり様変わりしていて驚いた。
数年前とすっかり変わったねという話をして
「数年前」の新風館を見てみたくなり
この映画(2009公開)を思い出した。


山田孝之・栗山千明・濱田岳
今、中堅、売れ筋の人たちが、
大学生役で京都の街、京都の四季を疾走する。
祇園祭宵山、四条烏丸交差点での儀式に、
「新風館」集合。
懐かしい、以前の「新風館」が映っていた。


原作は『鴨川ホルモー(万城目学)』2006年発行
 馬鹿馬鹿しいけれど、面白い。青春小説である。
『三四郎(夏目漱石)』には明治40年代「本郷」の青春があったように、
本書には平生20年「吉田」の青春がある。
出会い。極めて個性的な多士済々。失恋。
そして、主人公の成長?
それが、テニスサークルであっても、演劇集団であっても、
全然かまわないのだが、鬼を操る「ホルモー」というところに
本書のおもしろさがある。


「学生の街」といわれるだけあって、
やはり、京都は独特の雰囲気を持つ。
その街を登場人物の一人一人が実に活き活きと駆け回る。
「京都」で「学生」をするということをもっと味わっておけばよかった。
もう一度「学生」に戻って、丸太町通りを自転車で疾走したくなる。

『ホルモー六景』は 本編のサブ・キャラクターたちの物語。
それぞれが、それぞれの人生の主人公であり、
自分の青春・人生を生きていることを実感させてくれる短編集。


このショットが「本編」のここに繋がっていたかと、
改めて読み返したくなるおもしろさ。


中でも「もっちゃん」は秀作。
是非、梶井基次郎の『檸檬』を読んでから一読されることをお薦めします。
(「丸善」が「ジャンカラ」になったことを悲しみつつ・・・)