定年女子の日々・是好日

「定年」にはなりましたが、非常勤で働く「日」「日」です。

なにげに、保津峡。春、桜、散りかけ

仕事がはやく終わったので、
はやめの列車にのれて、ちょっと
降りてみた。


しかし、もう、散りかけ。


下に渓流が流れるこの駅で、10分でも下りるのは
ちょっと、度胸がいる。


春にはまだ、下りる人がちらほらあったが
秋に下りてみた時は、本当に一人きりで
次の列車が来るまでの10分でも
心臓バクバクした。
やめときゃよかった、と心底後悔した。


先週末は、まだ、7分だったが

週明けの雨風ですっかり・・・
満開のタイミングを逃した。


毎日、通勤していても
桜は満開に出会うのが本当に、難しい。


4年前、3月31日に出会った桜。


来年は、この桜と出会いたいものだ。

「光る君へ」東三条殿、逝去


BS朝ドラの再放送「オードリー」のパパ役、段田さん。
4月から毎朝、お目にかかってはいるが、
アメリカ帰りの自由なパパとうって変わって
東三条殿:藤原兼家
一族に繁栄と波紋を残して、とうとう亡くなる。


「大鏡」花山天皇の出家の場面で
限りなく、黒幕として描かれている


東三条殿は、もしさることやしたまふと危ふさに
さるべくおとなしき人々・・・御送りに添へられたりけれ。
・・・寺などにては、もし、おしてひとなどやなし奉るとて、
一尺ばかりの刀どもを抜きかけてぞ守り申しける。


実動部隊:道兼に花山天皇をそそのかして、出家に導かせ
道兼が一緒に出家することがないように
裏で手をまわして自分の配下に守らせている。


道兼君、信じて頑張ったのに最後に当然のように
関白は「道隆」と切り捨てられた。
怒る、怒るのも無理はないが
兄弟競合、
次男の長男へのコンプレックスを巧みに利用して、
摂関への道をつけた冷徹な父。


ドラマで、父の最期を見届けたのは、常にマイペースの三男。
長男、病死。次男、これも疫病で病死、七日関白。
正に父の後を継ぐのはやはり道長という暗示か。


「蜻蛉日記」は、不実な夫、兼家へのグチの日記だが


嘆きつつ 一人寝る夜の あくる間は 
        いかに久しき ものとかは知る
   あなたがおいでにならないことを嘆きながら、
   一人で寝る夜があけるまでの間が
   どんなに長いものかあなたは知っているでしょうか。
                 いや、知らないでしょう。


道兼、返し
 げにやげに 冬の夜ならぬ 真木の戸も 
       遅くあくるは わびしかりけり 
    なるほど、本当に、冬の長い夜が明けるのを待つのもつらいが、
    冬の夜でもない門がなかなか開かないのは、つらいものだなあ


門を開けなかったので「町の小路の女」の所へ行ってしまった
夫に怒る女に返したなんとも鷹揚な歌。


こんなことを繰り返した後、
母は息子、道綱へと肩入れしていくのだが、
現代でもありそうな・・・


道綱君、
「日記に書いとく」藤原実資、
倫子の猫、小麻呂
と共に、癒し三人衆とか、言われていますが
夫との不仲に嘆く、母にとっての一番の癒しだったのでは。

桜が咲いたら・・・

夫の妹の七三日忌のお参りに滋賀まで行く
ちょうど、桜が満開

義妹が植えた庭の枝垂れ桜


夏の終わり頃にちょっとした不調で病院に行ったところ
ステージ4の癌であることがわかり
半年と言われていた


自宅で療養していたので秋に
お見舞いに行ったが、
お孫ちゃんとわらわらいた五匹の猫たちに気がとられて
あまり、話ができなかった


年を越して
「また、ゆっくりお姉さんとしゃべりたい。
 ツーショットも撮りたい。
 桜が咲いたらまた、来てね」
という手紙をもらった。


二月に急激に悪くなり、駆け付けたが、
もう、話ができる状態ではなく
3月初めに亡くなった


一つ年下、63歳になる年。
同じ、時期に結婚し、
同じ時期に長男を妊娠、
いっしょに大きなお腹を抱えていた。


義父をおくり
義母をおくり
人生の同士のような義妹だった


おっさん(お坊様)の法話の後、紹介してくださった歌


いのちの歌   竹内まりや
・・・
ほんとうにだいじなものは
隠れてみえない
ささやかすぎる
日々の中に
かけがえない
喜びがある


いつかは誰でもこの星にさよならを
する時が来るけれど
命は継がれてゆく
生れてきたこと
育ててもらえたこと
出逢ったこと笑ったこと
そのすべてにありがとう
この命にありがとう
 
以前から、好きな歌だったけれど
今日は特に、心に沁みた。