定年女子の日々・是好日

「定年」にはなりましたが、非常勤で働く「日」「日」です。

追悼・坂本龍一氏

3月は訃報にショックを受けて、めいっぱい落ち込んだ。
連休の頃、追悼なのかたまたまなのか、上映されていたので
何をおいても観に行った。


実は、最初に上映された1987年
映画館で観ていない。自分の人生もバタバタの頃で。
その後、DVDと、サントラ盤は別々に何回も視聴していたのだが
今回初めて、映画と共に楽曲を聴いて感動した。
やはり、映画音楽は、映像と共に一層の効果をあげる。
歴史に翻弄された溥儀の人生の悲哀と孤独とともに。
あの、壮大なメインテーマはある。


自ら語る自伝というフレーズに、一気読み。
20歳の頃4歳年下の弟が、YMO毎日聴いていた。
まだ、音楽はレコードで聴く時代。
隣の部屋から大音量で流れてくるシンセサイザー音に
堪えられず、「音下げて」と喧嘩したものだ。
幼い頃、高校時代、YMO後。戦場のメリークリスマスの頃
ラストエンペラーの頃
ニューヨーク9・11
それぞれの時代、関わった人々、音楽。
その、怒涛のような人生に息を呑む。
少し後を遅れて重なってゆく自分の人生も思い出す人は多いのではないだろうか。



『音楽と生命』(集英社)坂本龍一 福岡伸一


2023 3・29第一刷発行なのでほぼ遺言のような
作だと思い読了した。
・・・
そして僕が死んだとき、僕の体は地に還って微生物などに分解され、
次の世代の生物の一部となって「再生」することでしょう。
この循環は、生命が誕生してから何十億年と続いてきましたし、
これからも続いていくはずです。
僕という生命現象は、
そうした気の遠くなるような循環の一過程なのだと捉えています。


「芸術は長く、人生は短し」


しかし、その人の生きざま
音楽は残る。
ご冥福を祈ります。